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【IS二次創作SS】怖いなら一緒に寝ればいいじゃない

※注意!
 ここから先はIS(インフィニット・ストラトス)の二次創作SSになります。一夏×シャルの話ですが、そういうのが受け付けない方は引き返すのが無難です。



















「ひゃあ!? デュノアくん、こわーい!」
「だだ大丈夫だよ。こここれは映像なんだから」
「……言っとくけど、お前の声すごい震えてるからな?」

 オレの部屋に遊びに来た女子のひとりが短い悲鳴を上げて、シャルルに抱きつく。それを苦笑しながらなだめるシャルルだったが、本人もそれなりに涙目のようだ。

「な、なな何言ってるんだよ一夏。だ、誰も震えてないから!」
「いや、すごい震えて――」
「きゃー、織斑くんこわーい!」
「お、おいっ」

 シャルルにツッコもうとしたら、今度は別の女子がオレに向かって抱きついてくる。っていうか、お前絶対怖がってないだろ、顔が笑ってるぞ!?

『ギャァァァァァス!?』

「「「きゃああああ!」」」
  
 制服姿のまま衝撃的なホラー映像を見ながら怯えたり震えたり笑ったり困ったりで、さっきからずっとにぎやかなオレたちの部屋。時間的には夕食を食べてから大分時間が経っているので、外は真っ暗。なのに何故同じ部屋に住むシャルル以外の女子がこの部屋にいるのか。
 それは夕食の時に近くのテーブルにいた女子のグループが――。

『ねえねえ、織斑くんとデュノアくん。あとで私たちと一緒に映画見ない? すっごい面白いヤツなんだ!」

 と、声をかけてきたからだ。オレは映画なんて最近全然見てなかったし、シャルルも特に異論なく映画を見ることに笑顔で賛成した。
 しかし、問題はそのあと。オレたちの部屋で大きめのモニターを使って、その映画を見ることになったのはいいんだが……その映画が有名で面白い“ホラー映画”だったんだ!

 ディスクの入ったパッケージを見せられた時点で、シャルルルは若干顔を引きつらせていたのをオレは見逃さなかった。その時、一応女子たちに聞こえない程度の小声でシャルルに声をかけたんだが。

「おい、シャルル。お前もしかして、あーいうの苦手なんじゃ……」
「な、ななに言ってるんだよ、一夏ってば! だ、誰も怯えた子犬みたいに震えてなんかいないよ!?」

 いや、誰もそんなこと言ってないし――。とツッコミたくなるほどあからさまな態度をとるシャルル。
 
「だ……大体、男の子がホラー映画が苦手なんておかしいでしょ! ああいうのが怖いのは女の子だけだって!」

 お前、女の子じゃん。という言葉が口から出そうになったのを、慌てて飲み込む。

「そうか? まあ、オレはホラーはそんなに好きじゃないクチなんだが」

 嫌いだ! とまでは言わないが、オレは恐怖を煽るタイプの作品があまり好きじゃない。なんていうかこう、ハリウッドヒーローが主人公のアクション映画とかが好きなんだよな。
 理由は簡単。アクション映画の方が見ててスカッとするからだ。

「そ、そうなの? 一夏は、ホラー苦手なんだ」
「いや、苦手ってほどでもないんだが。……好みじゃないな」
「そ、それじゃあ怖くなったら僕に抱きついてもいいんだからね!」

 いや、半分涙目で言われても……。というか、少なくともお前より苦手じゃないとか。男が男に抱きつくとか、一見一部の人たちしか喜びそうにない行動を薦めるのもどうかと思うんだが。

 とまあ、こんなやり取りの後に映画を見始めたオレとシャルと女子数名。
 ……簡単に言うなら、初っ端からけっこうキツイ展開が続き、話しが進むに連れて恐怖感がより煽られるすごい作品だった。所々にはそれなりにスプラッターな展開が不意打ち気味に挿入されることもあり、その度にシャルルも含めて女子たちの悲鳴が上がった。
 ――個人的には周りにいる女子たちの悲鳴の方が、ホラー映画よりもびびったが。

「はぁー、面白かった。やっぱりホラー映画はいいよねー」
「いや……お前以外、そう思ってないみたいだぞ」

 映画がエンディングを迎えたあと、にこにこしながらディスクを回収したのは、後半ずっと笑顔でオレに抱きついていた女子だ。
 どうやらこのホラー映画はこいつが購入したものらしいから、かなりのホラー好きなんだろう。
 しかし、それが招いたものが女子のほとんどがグロッキーになるという今の状況なわけで。

「よーし、それじゃあ今日はこれでお開きね。ほら、あなたたちもいつまでデュノアくんにしがみついてるの?」
「うぅ……」
「……こ、怖かった」

 それぞれが思い思いの言葉を口にしながら、部屋を出て行く。最後にホラー好きの子が『また一緒に映画見ようね~♪』と手を振りながら去ったことで、部屋にはオレとシャルルだけが残った。
 こうして、いつもと変わらない二人だけの状況になって、ふ~~っ……と一息。何気なく時計を見ると、あと幾らかすれば就寝といった時間になっていた。

「よし。シャルル、そろそろ寝る用意でも――」
「…………」

 横へ目を向けると、そこには呆然とテレビを見つめたままのシャルルの姿が。

「お、おーい? シャルル? 魂抜けてるぞ、大丈夫かー?」

 声をかけながらおそるおそる手を伸ばして肩を揺する。すると、数秒後。ようやくハッと、たった今目が覚めたかのようにシャルルが反応を示した。

「お、よかった。気づいたか」
「……」

 無言でギギギッとゆっくりこちらへと顔を向けるシャルル。うーむ、よくいうブリキ人形みたいなってやつか。

「大丈夫か?」

 念のためもう一度確認をする。しかし、それに対して返って来たシャルルの反応はというと。

「……う」
「う?」
「……ぐすん」
「へ?」

 最初は涙目なだけかと思ったが、間違いなくぽろぽろと目じりから零れていくのは涙。しかもそれは止まる気配がない上に、次は肩を小刻みに上下させながらひっくひっくと――。

「ぐすっ、ひっく、ひっく、うぅ~……」

 やべえ、こいつはマジ泣きだ!

「お、落ち着けシャルル! もう映画は終わったんだ、怖いものなんて何もないだろ! なっ!? なっ!?」

 どうしたらいいかとっさに判断できず、あたふたしながらシャルルを慰めるが、その効果は薄い。シャルルも無意識に涙を止めようと、両手で目の周りをこするが、そんなんですぐ恐怖が薄れるわけがなく……。

「ぐすっ、ううっ、怖かったよぅ……」

 ……やべぇ、泣きじゃくるシャルルがなんか可愛い――って、そうじゃねっての!

「だ、大丈夫だって! ほ、ほら手でこすったら目によくないぞ!」

 心に沸いた一瞬の邪念を振り払って、クローゼットから取り出したタオルをシャルルに投げる。シャルルはタオルを無言で受け取ると、顔に当てた。これで少しでも落ち着いてくれればいいんだが……。 
 と、とりあえずなんか話しかけてみることにしよう。 

「そ、そんなに怖いんだったら見なければよかったんじゃないか?」

 たとえば、目を瞑ってるとか。もしくは何か理由をつけて部屋から去るとか。やろうと思えばいくつかの手段はあったはずだ。

「……だ、だってあの子たちは僕たちと一緒に見たいって言ってたんだよ。その想いを無下にはできないよ……」

 うーん、なんというかさすがシャルル。すごい律儀だ。そんなことを想っていると、シャルルがこっちの方をじーっと見ていことに気づく。

「どうした、タオル一枚じゃ足りなかったか?」
「……お、女の子の泣き顔をじろじろ見るのはいい趣味じゃないよ」

 そう言われて、オレは初めてシャルルが自分の顔を見られていることが恥ずかしいのだ。ということに気づき、さっとその場で背をむける。

「わ、悪い!」
「ううん、いいよ。一夏は僕のことを心配してくれてたんだし……」

 気恥ずかしさというかなんというか、とにかくこの場に微妙な雰囲気が漂い始める。そして背を向けているというのに、オレの頭にはシャルルの泣き顔がこびりついて離れない。
 いやいや、と無理矢理それを首をぶんぶんと振ることでふり払う。

「しゃ、シャルル。とにかく落ち着いたら先に風呂に入ってこいよ。オレは後からでいいからさ」
「……一夏のえっち」

 なんでだよ!?

「お前に風呂を勧めるだけで、なんでそんなこと言われないといけないんだ!?」
「あ、当たり前だよ! お、女の子の入ったあとにお風呂に入りたいなんて――」
「どっちが先に入っても、あんま変わんないだろうが」
「か、変わるもん! いいから、先に一夏が入ってきてよ。僕はもうちょっと落ち着いてからでいいから」

 ちなみにこの場でいう風呂とは、部屋に備え付けてあるやつのことだ。だから女子の大浴場みたいに、大人数が同時に入れるような大きいやつじゃない。当然ひとりずつ交代で入る。
 まあ……なんにしてもオレとシャルルが同時に風呂に入るとか、問題がありすぎてありえないわけだが。

「たくっ。それじゃあ先に入るからな」
「うん」

 オレはシャルルにそう告げて、ごそごそとクローゼットから着替えを取り出し始める。

 も、もし一夏がお風呂に入ってきたら、僕どうなっちゃうのかな……。

 タオルに顔をうずめながら、シャルルが何かぶつぶつ言っていたようだが。オレにはそれがほとんど聞こえなかった。


///*

「よっし、それじゃあ寝るか」
「……う、うん」

 それぞれが風呂から上がったあと。寝巻き姿で少しだけのんびりした後に、オレたちはようやく就寝を迎えようとしていた。

「おやすみ、一夏」
「ああ。おやすみ、シャルル」

 手を伸ばして部屋全体の灯を消すと、ふっと視界が一気に暗くなる。

「ひぅ」

 その瞬間、なんか変な声が聞こえた気がした。

「…………?」

 声がしたのは、ほぼ間違いなくシャルルの方からだ。しかし、少しだけそちらをじーっと見てみたが、掛け布団の中でシャルがもそもそしているだけだった。結局、何事もなかったようなので、オレもさっさと寝ることにした。


……
…………
………………
……………………そして、約1時間後。


 この時、一夏は気づかなかったがシャルルのベッドがギシリと大きな音をたてた。

「っ!?!?!?」

 その音をたてたのは、もちろんシャルル。彼女はベッドから起き上がると、きょろきょろと辺りを見回してどこか安堵した様子だった。
 しかし、その身体は少しだけ汗がつたっており、心臓はどきどきと普段よりも早く鼓動を刻んでいた。

「……うぅ」

 半ば涙目になりつつ、掛け布団を抱えてうめくシャルル。この時、彼女の身に何が起こったのか。それを知っているのは本人だけだった。

「……夢の中でまで怖い思いをしなきゃいけないなんて」

 どうしてなんだよ~、と心の中でひとり彼女は叫ぶ。簡単に言うと、シャルルは夢の中でもさっき見たホラー映画の恐怖を味わってしまっていたのである。
 こうなると、寝るのが怖くなる。しかし、起きていればいるで時刻は真夜中。こっちはこっちで暗闇が怖い、という本人とってはどうしようもない状況だった。

 おろおろしながら寝るのと起きているの、どちらがマシかを逡巡すること数分。答えが出ないまま、とりあえず何か別のことを考えようという結論に彼女は至る。
 その時、ふと頭の中に思い浮かんだのは誰かの声。

『他人に甘えることも覚えたほうがいいぞ』

 耳を澄ませば、その誰かがついたての向こう側ですやすやと安眠している寝息が聞こえてくる。今なら、もしかすると甘えてもいいのかもしれない……。そんな考えが脳裏をよぎる。

「…………」

 シャルルは無言でゆっくりとベッドから立ち上がる。視界はそれなりに暗いが、もう目が慣れているようで灯がなくとも大体の物の位置は把握できた。
 だから電気をつける必要はなく、シャルルは忍び足で隣のベッドで寝ている一夏の下へと移動することが可能だった。

「い、一夏……?」

 念のため小声で名前を呼んでみる。しかし、一夏は“ん~”と唸りながら、ごろんと寝返りをうつだけだった。ちょうど、シャルルがいる方向に顔が向くように。

(……ごくりっ)

 まだ今ならやめることが出来る。そもそも僕はなんだってこんなことをしているんだろうか? と、心の中で問答しながらもシャルルの手は一夏のベッドをぽむぽむと叩いたあと、掛け布団の中へと滑っていく。
 ちょうど一夏の身体に指先が当たるかどうか、そんな距離で手を止めると、そこには一夏の温かなぬくもりがあった。
  
「あ……」
「んー」

 シャルルがそのぬくもりにどこか安心する自分を感じた直後、わずかに身じろぎした一夏の身体に指先が触れる。

「ひゃっ」

 慌てて布団から手を抜くシャルル。先程の恐怖とはまったく違う胸のドキドキを感じながら、一夏が起きたのではないかと思いその様子を覗う。

「ぐぅ。箒ぃ、もう勘弁して……くれ」

 どうやら一夏は起きてはいないらしく、ふぅと安堵するシャルル。しかし、寝言で彼のファースト幼馴染の名前が出てきたことにわずかに胸がもやもやしてしまう。
 結論からいうと、シャルルは無言で一夏のほっぺをつねった。うぐっ、と一夏は一瞬呻いたがやはり起きる気配はない。

 寝ても起きても怖い自分。けれど、一夏のぬくもりに少し触れただけで安心する自分。そして、いつか一夏が自分に言ってくれた言葉。そして、一夏に対して友情以上の想いをもつ自分。
 
 それらが合わさって、シャルルは自分が行動を起こした結果どうなるか。それをなんとなく理解しつつも、それ以上に今やろうとしていることに対する欲求の方が強かった。

(……平気、だよね。一夏ならきっと起きないし、そ、それに僕が早く起きて自分のベッドに戻れば、バレないし……。そ、そもそもこのままじゃ学園生活に支障が出ちゃうし――)

 何故かそう自分に言い聞かせながら、シャルルは意を決して考えていたことを実行に移した。自分のではなく、一夏のベッドにもぞもぞと潜りこんだのである。

「わっ……あったかぁい」

 今までに体験したことがないほどの一夏のぬくもりに感動しつつ、自分のスペースを確保しようとするシャルル。
 当然、一夏は今までベッドの真ん中にいたので、少しだけ端に向けて押さないとならなかった。しかし、あまり押すとさすがの一夏も起きてしまう。そう判断したシャルルは、一夏を動かすのは最小限に抑えつつ、自分が一夏の身体に密着することを選んだ。

(あ、あぅ)

 動揺する自分に何を今更、と自分で自分につっこむシャルル。シャルルは身体を横にしている一夏の正面の方向からベッドに潜り込んだ。つまり、密着するということは一夏と正面から抱き合うような形になる、ということだ。
 顔は一夏の胸にうずまり、耳にはダイレクトに呼吸と鼓動が聞こえ、より間近で一夏の全身の熱を感じることになる。

「………ぅぅ」

 これは純情なシャルルには少々刺激が強かった。けれど、こうすることで安心するのも事実。何より、大胆な行動による恥ずかしさやら人肌の気持ちよさやらで、ホラー映画による恐怖などまとめて明後日の方向に吹き飛んでいた。

 そんな感じにシャルルが一人、悶々としていると――。

「ぐぅ~」
「ふむぅ!?」

 一夏が全身でシャルルの身体を抱きしめてきた。もちろんシャルルに心構えなど出来ているわけがないので、つい声を上げてしまう。反射的に一夏の胸に口を押さえつけることでそんなに大きな声にはならなかったが……。
 その分、より強くシャンプーの匂いに交じって一夏の匂いを感じてしまう。

(あ、あぅあぅあぅ!)

 もしかして起きたのか。一夏だったら起きないだろうとたかをくくっていたが、やっぱり駄目だったのか。も、もしかしたら最初から一夏は起きていたんじゃ……そんな考えがぐるぐると頭を廻ってしまい、目を回すシャルル。

(ああ、そうだよ。一夏はきっと最初から起きてたんだよ。無害なフリをして、僕という獲物が自分から飛び込んでくるのを待ち構えてたんだよ! ああ、僕どうなっちゃうのかな。怒られるかな、一夏に怒られるのは辛いなぁ。で、でももし、一夏が日本でいうところのKEDAMONOにクラスチェンジしてたりなんかしたら――)

 良くも悪くも乙女な妄想がシャルルの頭の中をいっぱいにしていく。あえてその妄想による映像を説明するなら、服を破かれた犬耳のシャルルが狼の耳を生やした一夏に押し倒されているというものだ。

(で、でも、一夏にだったら僕は!)

 勝手に行動して、勝手に妄想した彼女を止められるものはこの場には誰もいない。最後には勝手に覚悟を決めてしまう。
 しかし、もちろん一夏はクラスチェンジなどしていないので、シャルルが想像した光景は現実には訪れることなどない。
 代わりに、彼は眉根を寄せながら何事かを呟いた。

「うぅー、シャルルー、助けてくれ~。箒たちがオレをしごき殺そうとー」

 どうやら、一夏は夢の中で幼馴染やらクラスメイトやらに追われているらしい。なんとも哀れみを誘う光景である。
 その言葉を聞いて、シャルルは一夏が夢の中でも自分を頼ってくれることに胸を熱くした。

「……大丈夫だよ、一夏。……僕が、傍にいるからね」

 さっきの妄想やら覚悟はどこへやら。シャルルは優しく一夏を抱きしめた。シャルルからは見えなかったが、この時の一夏はどうやら悪夢から解放されたようで、すやすやと安らいだ顔を浮かべたのである。

(あ……眠れるかも)

 真夜中に頭を廻らせて疲れたのか。ようやくシャルルもウトウトと舟をこぎ始める。あとは目を瞑れば彼女も安らかな夢の世界へといけることだろう。

「……おやすみ。――ありがとう、一夏」

 





おしまい









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【TOV二次創作SS】

※注意!
TOVユリリタ 妄想学園パロディその2です。こういうのが苦手な人はすぐに引き返すのが無難でしょう。問題ないという方は↓↓↓へお進みください


























「なぁ、今何時か知ってるか?」
「なによ、まだお昼休みでしょ」
 後ろから聞こえたユーリの声に対して、本に目を通したままで返事をする。もう少しで読み終わるから、待ってなさいよ。
 すると呆れた声で、
「まぁ、見事に大ハズレなわけだが」
 そう言われて、ちらりと教室の丸時計を見る。……時刻は17時。
「――やばっ」
 またやってしまった。
 読みかけの本を置いて辺りを見回せば、窓の外はオレンジ色に照らされている。教室にはユーリとあたし以外誰もおらず、昼間の騒がしさなんてどこにもない。放課後特有のどこか寂しい空気が漂っていた。
「お前、本当に集中すると周りが見えなくなんのな」
「うっさい」
 これでも気にしているのだ。……少しだけど。
 良くも悪くもあたしの長所。一度集中すると区切りがつかず、いつまでも没頭してしまう。
 気づかぬ間に放課後を迎えたことは何度もある。時には研究にのめりこみすぎて、家に篭もりっぱなしになることもしばしばだ。
「って、なんであんたがここにいんのよ?」
 ここは下級生の教室。さっきはさらっと返事をしたが、普通に考えれば上級生のユーリがいるのはおかしい。
「リタがいつまで経っても校門に来なかったからな。かわいい天才少女さまが、さぞかし集中なさってるんだと思ってね」
 そう言いつつ、彼はごそごそと鞄から何かを取り出して、ずいっと前にだした。
「なにこれ?」
「ほほう。天才リタさんには、これがサンドイッチ以外に見えると」
「バカにしてんの?」
「ちげえよ。どうせお前のことだから、昼飯も何も食わないで本読んでたんだろ?」
「うっ」
 そういえば、何も食べてないかも。こういうことは一旦気づくと一気にくるもので、お腹がくるるると鳴いてしまう。
「ほら、腹が鳴いてんぞ?」
「ば、ばか! 聞くな!」
「文句いう前に、さっさと食えよ。……味は保障しないけどな」
 机の上に置かれたプラスチックの入れ物には、何種類かのサンドイッチが綺麗に並んでいた。タマゴ・ツナ・ハムとレタス。はさんである具はそんなところで、ものすごい手作り感を感じさせる。
「……これ、手作り?」
「ああ」
「な、なんでこんなもん作れたのよ?」
 動揺しながらそう問いかける。やばっ、なに、わざわざ作ってきたの? 内心は嬉しさでプチパニック状態だ。
「家庭科室に寄ってちょろっとな。ちょうど料理研究部の連中がいたんで、材料と場所を貸してもらった」
 “気前がよくて助かるな”と彼は笑う。多分、頼れる上級生であるユーリに助けられたことがある部員がいたんだろう。
 ぱっと見いい加減に見えても、困った人を放ってはおけないユーリに助けられ感謝している生徒は多いのだ。
 それにしても、この男はあたしのためにわざわざサンドイッチを作ってきたというのか。あたしが何も食べてないのを見越し、料理研究部に材料と場所を借りて? やばっ……どうすんのよ、これ。すごく嬉しくて、顔がニヤけそうなんですけど。
「はっ、ずいぶん気がきいてるじゃない?」
 素直になりきれないため、思わず偉そうな態度を取ってしまう。
「はいはい、いいから早く食えよ。これなら手も汚れねえだろ?」
 “わかってるわかってる、お前の本心はちゃんと伝わってるさ”と言いたげな顔。……いや、今更隠すも何もないのはわかってるけど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいじゃない。
 最近はもう常に本心がバレバレだ。……これが彼氏×彼女というものなのだろうか。
「ほら、あーん」
「するかっ!」
 ユーリの手からサンドイッチを奪い、口いっぱいに頬張る。……むぅ、かなり美味しい。
 本を読むことそっちのけでもぐもぐとサンドイッチを食べていく。その間、こっちをじーっと見ているユーリは無視していた。
 だけど、最低限の礼儀は忘れちゃダメだ。
「ごちそうさま。……おいしかった」
「おそまつさん」
 全部食べ終わったあと。さっきの“あーん”を受け取ってもよかったかな――。なんて気の迷いが、ちょっとだけ頭をよぎった。

「そういえば、こんなもんも持ってきたんだが」
 今度はごそごそとビニール袋から何かを取り出し始めた。そして机に並べられたのは――。
「プリン?」
「正解」
「まさか、これも作ってきたとか言うんじゃないでしょうね?」
「さすがに手作りは無理だな。これはその辺で適当に買ってきたやつさ」
 サンドイッチを作った上に、プリン買ってきたのかあんたは。ちょっと準備良すぎない?
「あー、うめえな」
「食べるのはやっ!?」
 どうやらプリンに関しては自分が食べたいから買ってきたものらしい。そういえばユーリも相当な甘党だったか。……あたしも甘い物好きだけどね。
「なんだそんな物欲しそうに見て。仕方のないやつだぜ」
「見てないわ」
「ほら、ひとくち」
「っ! わ、わざわざあんたから食べさせてもらう必要なんてないわよ!」
 ……と言っておきながら、あたしの頭の中ではさっきの気の迷い(あーんのこと)が再臨していた。ちょっと食べてもいいかな、なんて考えてしまっている……。
「おい、食うならはやく食えよ」
 そっぽを向こうとしても、目はちらちらとユーリが差し出しているスプーンの上を見てしまう。
「し、仕方ないわね。断っておくけど、あんたが強引にやってるんだからね」
「はいはい」
 前のめりになりながら、すくったプリンが乗ったスプーンの先にゆっくりと顔を近づける。
「んっ」
 はむっ、とスプーンをくわえると口内にプリンの甘さとカラメルソースの弱い苦味が広がっていく。ついでに、ユーリに食べさせてもらったという事実で体も熱くなっていく気がした。
「じーっ」
「あによ。その“うわ、ほんとに食べちゃったよ”みたいな顔は」
「まあ、それも少しは思ったが……」
 こいつ、自分でやっておいてなんだその言い草は。
「どっちかっていうと。リタが恥ずかしそうにプリン食ってるとこを見て、頭がやられそうになった」
「~~~っっ!?」
 なんであたしに食べさせたユーリが気恥ずかしそうなのよ! 自分の恥ずかしさと、あんたの照れた顔のダブルパンチのせいで、穴があったら入りたい気分になるじゃない!
「くくっ、お前、ほんとかわいいヤツだよな」
「うるさい! 静かにしろ!」
「もう一度やるか。ほら、ペットに餌付けしてるような感覚だと思えばいい――」
「誰がペットよ、誰が!!」
 くぅー、恥ずかしい。もしかしてこいつ、ここまで計算してプリン買ってきたんじゃないでしょうね!? だとしたらとんでもないやつだ。
「なんだよ。この前はネコミミと尻尾付けて“ご主人様♪”とか言ってたくせに」
「わーーわーーー!?」
 い、今の誰か聞いてなかったでしょうね!? もし少しでも聞こえてたやつがいたら……。
「燃やさないと」(ぼそっ)
「物騒なことは言わない方がいいぜ?」
「誰のせいよ!」
 ああもう、もう読書どころじゃない。こんなに心が乱された状態で本なんて読めるかっての!

「……で。なんでオレはお前の家に向かってるんだ?」
「いいから、黙ってついてきなさいよ」 
 夕焼け空がに夜の闇にが混ざり始めた頃。あたしとユーリは帰り道を並んで歩いていた。
 けど、本来ならユーリはこっちの道に来ることはない。彼の家は明らかに逆方向だ。それなのに、何故ついてきているのか? それは、あたしが彼を引っ張ってるからに他ならない。
「……特に用があるわけじゃねえからいいけどよ。そろそろ理由を教えてくれてもいいんじゃねえの?」
 いい加減焦れてきたのか、彼は家々に挟まれた細い道の途中で足を止めた。
 しょうがない、そろそろ話すしかないか。
「さっきさ、サンドイッチ作ってくれたでしょ?」
「そうだな」
「今度はあたしが夕食を作ってあげる」
 そう言った途端、ユーリは目を丸くした。
「……悪い、理由がよくわかんねぇ」
「だ、だから! ……あんたがサンドイッチ作ってくれたでしょ。その……お礼っていうか……いや、違う。このままあんたに何もしないで、後で変なこと頼まれるのが嫌なのよ」
「素直に“夕飯を作ってあげたいから”とか言えないのか?」
「違う! あくまでも、後で変なこと頼まれないようにっていうのがメイン。お礼っていうのはオマケみたいなもんよ!」
 これは半ば嘘ではない。お礼がオマケなのは違うが、変なことを頼まれないようにの意味も少なからずあるのだから。
「オレがリタに変なこと頼んだことがあったか?」
「忘れたとは言わせないわよ。あの日のことを……」
 “なんだっけ?”みたいな面で首を傾げるユーリ。そう、過去にこのアホな先輩はあたしに恩を売ったことがある。そしてある日、その恩を返してほしいと要求してきたのが、
『今日一日の間、これ(ネコミミ)付けててくれ」
 だったのだ。
 いや、有り得ないでしょほんと! でも、借りがあったのは事実だから、あたしはちゃんとやったわよ? その結果どうなったか。クラスはもちろん、人が居るところを歩くたびに視線とひそひそ声の嵐。友人であるエステルには驚かれ、生徒会長のフレンには真面目に心配される始末。
 あげくの果てに、そんな馬鹿なことを頼んだ張本人は“すげえ可愛いぞリタ”と頭を撫でながら大爆笑ときた。
「いやー、アレはすげえよかったよな」
「しっかり覚えてるじゃない!」
「当たり前だろ。あんな面白い――もとい、あんなに似合っている姿を忘れられるわけがないぜ」
 かーーーっ、ほんとにこいつは! 愉快犯なのか知らないけど、たまに本当にアホなことをやり始める。これで学校でも指折りの頼れる人物と評されているのだから、世界はどこかおかしいと言わざるを得ない。
「とにかく、わかったでしょ。あたしはね、二度とあんなことをしたくないのよ」
 今度はネコミミウェイトレスとか言い出しそうだ。割とマジで。
「そりゃあ残念。でも、ま……」
 一瞬の間を置いて、ユーリは顔を近づけてきた。
「人目に触れないところで頼んだら、やってくれるだろ?」
「…………ふん、ばっかじゃないの」
 ま、まあ? どうしてもっていうなら、考えてやらないでもないけど。……なんだろ、あたしってもしかしてユーリにすごく甘い?
「ま、それは置いとくにしてもだ。夕飯をご馳走してくれるってことなら、喜んで行かせてもらうぜ」
「じゃあ荷物持ちよろしく」
「ああ、いいぜ。それぐらいはやらねぇとな」
 ……まったく、半ば冗談で言ったつもりだったのにこの返事だ。ここで“面倒だなぁ”とか口にすれば、追撃できたのに。
「ちなみに、なに作るんだ?」
「そんなの、決まってるじゃない」
 怪訝そうな顔をするユーリに、したり顔で返してやる。作るのはもちろん、あたしの得意な料理に決まっている。

「ほい、お待たせ」
「おお~っ、美味そうじゃん」
 出来立ての料理をテーブルに運んでやると、ユーリがわかりやすく感嘆の声をあげた。メニューは炊きたてのご飯、キャベツ・キュウリ・ミニトマト・コーンが盛り付けられたサラダ、ぱぱっと作れるコンソメスープ。そして、あたし特製の“コロッケ”だ。
「それじゃあ、早速――」
 低いテーブルにふたり分の夕食が並べおわり、向かい合う形でカーペットの上に直接座る。
 両手を合わせて、
「「いただきまーす」」
 それぞれのペースで口に運ばれていく料理たち。しかし、あたしは自分の分を食べるフリをしつつ、まずはユーリの顔色を覗っていた。
「もぐっ……。おお、美味いぞこのコロッケ」
「あ、当たり前でしょ。これでもコロッケはあたしの得意料理なんだからね」
 どうやら満足いくものに仕上がっていたようで何より。やっぱり自分の作ったものを美味しそうに食べてもらえるのは、かなり嬉しい。
 いままでに何度もユーリに手料理を振舞ったことはあるが、その度に少なからず緊張はする。でもそんなのは杞憂に終わるのだ。だって、彼は毎度のことながら完食してくれるし、おかわりもしてくれる。
「あー、やっぱリタの作る飯は美味いな。毎日作ってほしいぐらいだぜ」
「え”」
「どうした?」
「なな、なんでもないわよ!」 
 しまった、思わずどもってしまった。くっそー、不覚にも顔が熱くなったじゃない。っていうか、何!? “毎日作って欲しい”とか、プロポーズかっての!
「も、もうちょっと言葉を選びなさいよ」
「ん? 毎日食いたいって思ったのが、そんなにダメか?」
 しかもこれだ。割と意地が悪いこの男は、時に天然っぽい発言をする。エステルじゃないんだから……、こいつにそんなこと言われたら身が持たないっての。
 こ、ここはなんとか仕返しを…………。そうだ、このコロッケを使って、
「ユーリ」
「あん?」
「はい、あーん♪」
 どう! さっきのサンドイッチの時のも兼ねて、あーんの仕返しよ。ほら、さっさと恥ずかしがりなさい。
「もぐり」(←食べた)
「ちょっ」
 えっ、ちょ、ちょっと。そんな簡単に……。
「なんで食べるのよ!?」
「なんで怒るんだよ?」
「ふ、普通こういうことされたら食べないでしょ!」
「いや、美味いものを突き出されたら食うだろ、普通」
 ユーリは余裕の表情で指で口元についたコロッケの欠片をすくいとる。こいつは……いけしゃあしゃあと。
「というか、なんだ。お前、オレに食べさせたかったのか?」
「違うわよ!」
「おお、逆ギレした。よーしよし、どうどう」
「フカァーーー!!
 あたしは馬か! ああもう、作戦失敗どころの話じゃない。むしろカウンターをくらったわよ。ますますあたしの方が恥ずかしいじゃない!!

 そんなことをしながらも、時間は過ぎていき――。

「ふぅ、ごちそうさん」
「……ふん、お粗末様」

 夕食を食べ終わり、食器をさげる。その際にキッチンから窓の外を見れば、もう完全に暗くなっていた。
「うーむ、この時間は全然面白い番組やってないな」
「こら、なにのんびりテレビ見ようとしてるのよ」
 座ったままチャンネルを変えるユーリの手から、リモコンを奪い取る。すると不満げな視線を向けられた。
「そんな目をしてもダメ」
「ケチめ」
「っていうかさ、夕飯は食べ終わったんだし、そろそろ帰る支度した方がいいんじゃないの?」
「別に? 帰るのなんていつでも出来るしな」
「はいはい、そーですね」
 ここからユーリの家はそれほど遠くない。まあ、歩いて15分はかかるかもしれないが、比較的近いと言えるだろう。
「オレとしては、帰りたくないんだけどな」
「……あんたの口からそんなセリフが出るとは思わなかったわ」
「ずいぶんな言われようだな。ただ単に、少しでも長くお前と一緒にいたいだけだよ」
「~~~ッ」
 また、こういうことをさらりと! ああ、顔が赤くなってきそうだ、これはマズイ。
「おお、赤くなった」
「赤くなってない!」
 いや、待った。冷静に考えて、ここであたしが赤くなるのはおかしくない。そもそも、状況をよく考えてみよう。
 夜にひとつの部屋で、男女がふたりっきり(しかも彼氏×彼女)。この後誰かがここに帰ってくることもない。そして、目の前には“帰りたくない”と言い出す、いぢわるでスケベでたまに外道なヤツが……。
「あ、あうぅ……」
「どうした、リタ。なんかいつにも増して、顔が赤いぞ?」
「ち、近い! そんなに寄ってこなくてもわかるでしょ」
「なんだよまったく……」
 そこで、ピンと何かに気づいたかのようにユーリはニヤリと笑った。やばい、これは獲物を見つけた狼の眼だ。
「ははぁ……。お前、もしかして何かをすごい期待してるのか?」
「お、お生憎様。その推論はこれでもかってぐらい、間違ってるわよ!」
「じゃあなんで、オレから離れようとしてんだよ」
「あんたが近づいてくるからでしょ――だから、寄るなってば!」
 あたしはよっぽど後ろに下がったのか。いつの間にか背中には壁。左右に逃げる隙もなし。目の前には迫ってくるユーリ。こ、これは絶体絶命?
「まあ、そういや最近はご無沙汰だったかもな」
「あ、あんたが何を言ってるかわからないわよ。この、エロ狼!」
「一応言っておくと、その発言で十分なに考えてるか伝わるからな」
 ユーリの右手が、あたしの頬を包むように触れてくる。一段階、体温が上がった。
「あ…ぅ…」
「……抵抗しないのかよ」
「う、うっさい。そ、それ以上近づいてきたら、燃やすわよ!?」
 こんなのただの虚勢だ。実際そんなことをする気なんてない。あたしの目線はどんどん近づいてくるユーリの顔――特にその一部に釘付けになっている。
「~~~ッッ」
 もう、好きにしたらいいじゃないの! どうせ抵抗なんてできませんよ! 心の中でそう叫んで、ぎゅっと目を瞑った。



「……いつまでそうしてんだ」
「えっ?」
 あたしの体感時間だけが無駄に長かったのか、それはわからない。けれど、予想していたものは来ない上に、ユーリはいつの間にか少し離れた位置に座っていた。
「……まったく、欲求不満(?)な後輩だな」
「あ…ぐっ」
 く、くやしい! また騙されたのかあたしは!! うわ、ちょっ、滅茶苦茶屈辱なんですけど!?
「あんた性質が悪いわよ!?」
「へいへい。それはわるぅございましたね」
「な、なによ! なによなによ! もう、早く帰りなさいよね」
「いや、それがな。腹いっぱいになったら、眠くなってきた」
「知るかああああ!!」
 絶叫が響き渡る。ご近所迷惑かもしれないが、そんなことは知ったこっちゃない。
「わかったわかった、そんなに怒るなって。1時間くらいしたら帰るからよ」
 そう言いながら、ごろりと横になるユーリ。ちゃっかりその頭はあたしの足の上に乗った。
「……ねえ、なにこれ」
「ふぁぁ……。1時間したら起こしてくれよ。その間、この枕を貸してくれ」
「人の足を枕扱いしないでほしいんだけど!?」
「……ぐぅー」
 え、ほんとに寝たの? ちょっと早すぎない?
「ね、ねえ。ちょっと……」
「Zzzzz……」
「……マジで?」
 どうやら、ほんとに寝てしまったようだ。軽く頭をはたいても、両手で顔の形を変えても効果はなし。アタシはこの後、1時間もこの体勢を強いられるのか。
「……はぁ」
 なんだかな……。今日一日、ユーリが関わった辺りから叫びっぱなしな気がする。そのせいで体力は普段より消耗してる……けど、代わりに退屈はまったく感じていなかった。
「……あんたのせいよ」
 正確には前者が“せい”、後者は“おかげ”かな。ああ、まったくもう満足そうな顔で寝ちゃってまあ……だらしないったらありゃあしない。
「……誰も来ないわよね」
 そうだ、今はこの家にふたりしかいない。しかも、ユーリは寝てる。その間にナニカしても、知っているのはあたしひとりじゃないか。
 ジーーッとユーリの顔を見つめる。そしてまた、顔の一部分に目がいった。
「……アホな彼氏をもつと大変なのよ。その辺わかってる?」
 その分、退屈とは無縁になっており、楽しいことが多くてしょうがないことも、あんたは知らないんでしょう。
 ゆっくりと顔と顔の距離を縮めていく。あと数センチも近づけば触れるくらいの距離。彼の吐息を感じた。
「んっ」
 意を決して、瞼を閉じる。

 しかし、その次の瞬間。

「リター! お土産持ってきましたよーー!」
 バターンと大きな音をたてて玄関の扉が開かれた。そこにいるのは、あたしの友人であり、ユーリとは同学年の学園のマドンナ――エステルさん。
「ほら、リタ。これ、家の用事で出かけた先で買って…きた…おみや……げ?」
 突然の来訪者に呆然とするしかないあたし。間もなく、こちらを見つけたエステルとはっきりと目が合った。
「え……エステル。違うの、これは……」
 必然的にエステルの視線は、横になって眠るユーリに注がれる。続けてユーリに顔を近づけていたあたしに視線が戻ってきて。直後、それが交互に繰り返された。
「ご、ごめんなさい! お邪魔しました!!」
「いや、だからちがっ――」
 見てはいけないものを見てしまったかのように、エステルは勢いそのままで玄関の扉の向こうへと去っていった。よほど慌てていたのか、ドテンとコケたような音が一回だけ聞こえてきた。
「あ……ああ……」
 み、見られた。見られた見られたみられたミラレタ……。
「……いやぁ、すげえなあいつ。なんつータイミングで来るんだよっていう……」
「ほ、ほんとよ! って……ユーリ!?」
「おう、おはようさん」
「な、なんで起きてるの?」
「ん? ……まあ、リタに膝枕してもらってたオレでも、さすがにあんだけ騒がれればなぁ……」
 ユーリはどこか明後日の方向に目を泳がしながら、それっぽいことを言い出した。が、さすがのあたしも今回だけはわかる。
 これは、嘘だ、と。
「あ、あ、あ……あんた、まさか最初から」
「……悪い。寝たフリしてた」
 そう言った瞬間、頭の中が真っ白になる。つまりアレだ。あたしだけしか知りえなかったはずの事を、見られたわけだ。しかもふたりに……。
 あたしは膝枕をしていた足を外側に開き、ユーリの頭を床に落とした。
「あぶねっ」
 と、思ったらユーリはひょいと起き上がってそれを回避する。
「危ないだろ、おい」
「うるさい! おとなしく後頭部を床に叩きつけて気絶しろ!」
「ほーう? 今のオレにそんな口を聞いていいと思っていらっしゃると?」
「ど、どういう意味よ」
 どこか楽しげに笑うユーリに危機感を感じ、後ずさる。しかし、案の定すぐに壁にぶつかった。
「眠っているオレにイタズラしようとしたのは――」
「イヤーーー!?」
 最後まで言おうとした口を、両手で塞ぐ。が、次の瞬間には逃げられないよう抱きしめられてしまっていた。
「っ、ぷはっ。なんだよ、最後まで言わせろよ」
「燃やすわよ!?」
「んんー? まだ口の聞き方がなってないみたいだな。こりゃあ、しっかり調教しないといけないか?」
「ちょ、調教って――」
 言いかけたところで、次の言葉はユーリによって塞がれて外に出ることはなかった。
 不意打ち気味のやり方に、体が強張る。けれど、数秒続いたソレが終わる頃には甘い痺れだけが体に残っていた。
「やっぱ帰るのはやめだな。今日はずっとリタといることにするわ。……覚悟しとけよ?」
 気楽に言っているが、目は怪しく輝いている。そう、さっきも見た、獲物を狙う狼のような……。
「……っ」
 その瞳からの暗示にかかってしまったかのように、あたしは無意識に頷いてしまっていた。




おしまい


【TOV二次創作SS】屋上でふたり

※注意!
これは作者の妄想がいっぱいのTOV学園パロです。ユーリとリタが彼氏×彼女になっている前提スタート。ユーリがいぢわるになり、リタがデレてます。それに合わせて口調やらも変わっているので、そういうのが苦手な人は引き返すのが無難でしょう。















「ちょっと先輩」
「……ん?」
 青く広がる空の下。ここは校舎の屋上。寝そべっている足元のユーリに声をかける。
「授業中よ? なんでこんなとこにいんのよ」
「お互い様だろ?」
 眠そうに欠伸をするユーリを見ていると、あたしにまで眠気が移ってきそうだ。それを振り払うかのように、鼻で笑ってやった。
「お生憎様。あたしは授業なんて受けなくていいのよ」
 ユーリの横に腰を下ろすと、彼の視線を感じた。“どういう意味だよ?”と訊いているような気がしたので、答えてあげた。
「天才のあたしには、この学校の授業なんて受ける意味はないってこと」
「ほぉ、学園の天才美少女の前では学校の授業のレベルが低すぎてお話にならないってか?」
「違うわ。たとえレベルが低かったとしても、学ぶべき点はあるものよ」
 単純に担当教師がつまらない――要は身につかない授業しかやらないのだ。
「で、結局さぼったと」
「より有意義な時間を選んだと言って欲しいわねぇ……」
 面白くもない授業を受けるなら、本でも読んでいた方がはるかにマシだ。そう考えて屋上に向かったら先客がいたのだ。
「そうか。……少なくともオレと一緒にいることは、授業よりも有意義な時間なわけだ?」
「な”っ。ば、バカ言ってんじゃないわよ」
「なんだ、残念だな」
 殊更に残念がるユーリの目は笑っている。間違いなくからかっているのだ、こいつは。
「ま、まあ? 本を読むよりはあんたと話した方がいい時もあるわね」
「……お前、ほんと素直じゃないのな」
「……ふんっ」」
 ユーリはニヤッと笑いながら、あたしの目を真っ直ぐ見てくる。
「大体なんだよ、先輩って」
「先輩は先輩でしょ?」
「ふたりっきりの時は、名前で呼んでいいかって恥ずかしそうに訊いてきたのはどこの誰だったか、な」

 ……あたしだ。

「せ、世間体ってもんがあるでしょうが! 学校で名前で呼び合ってたりしたら、変な噂が立つかもしれないでしょ!」
「変な噂ねぇ……」
 少しだけ思案しながら、ユーリは体を起こした。こいつとあたしの身長差は30センチくらいある。今みたいに並んで座れば、当然見上げる形になるわけだけど。……なんていうか、真面目に考えてる顔がかっこよく見えて……なんかむかついた。
「“天才美少女リタ! 上級生との熱愛発覚!? 屋上でいちゃつくふたりをカメラは捉えた!!”とか?」
「なにその有り得ない設定!?」
「もしもそんな騒ぎがあったら大変だよな。リタを見るたびに周りの連中がひそひそ話するぜ? “見ろよ、あれが噂の天才美少女だぜ”って」
「さっきから天才美少女とか連呼しすぎでしょ!」
 しかも、あたしは一回も“美少女”とか言ってないし!
「なんだよ、自覚ないのか? 天才さんはかわいいだろ。ほら、こうやって近くで見ればなおさら――」
「ち、近い! 顔近いから!」
 あーもう、調子を狂わされっぱなしだ。しかもこいつはわざとやっている。あたしが、こうすれば気恥ずかしくなるってわかっているのだ。ものすごく性質が悪い。
「たくっ……無自覚でかわいいことをするのも、罪じゃないのかねぇ」
「ひゃっ」
 前触れもなく抱き寄せられて、変な声が出た。ユーリのぬくもりと匂い、それに鼓動をダイレクトに感じる。
「は、離れなさいよ!」
「いやだ」
「子供か?!」
「子供でけっこう。オレはな、かわいい彼女の体を堪能したいんだよ」
「卑猥な言い方すんなバカ!」
 しかし、どれだけ叫んでも体格差もあるなら力も違う。両手を背中に回される形で包まれれば、もう抵抗のしようもない。無駄な体力を使わないようにするため、あたしは借りてこられた猫のようにおとなしくなるしかない。
「ん? もう暴れないのか?」
「……どうせ無駄だし」

 そもそも、こうしてるのが嫌いじゃないし。……言わないけど。

「ふん。せっかくの機会だと思うなら、十二分に堪能すればいいじゃない」
「んじゃあ、遠慮なく」
 投げやり気味なあたしの言葉に、ユーリはぎゅっと抱きしめるて返した。
 ……くやしいけど、こうされると落ち着いてしまう自分がいる。少しだけ頭を胸にこすりつけると、優しく頭をなでなでされた。
「にゃんこはデレ期に入りました、と」
「…………勝手に言ってろ」
「あ、エステルだ」
「うそ!?」
「ああ、嘘だな」

 確かに勝手に言えとは言ったが、心臓に悪い。そのにやけた顔を一発殴ってやろうか……。

「……あんまり調子に乗ると燃やすわよ?」
「そいつは勘弁だな」
 下から睨みつけると、こちらを見下ろしてくるユーリと目が合った。その顔がくっくっくと楽しげに笑う。
「なあ、リタ。お前、なんやかんやでこうしてるの好きなのな」
「な、なんでそうなるのよ!」
「嫌がってねえじゃん。嫌だったら、すぐ逃げるだろ」
「ち、ちがっ! これはあんたがあたしを拘束してるから」
「あー……やばい。また眠くなってきた」
「話を聞けっ!」
 あたしを抱きしめたまま、ユーリはごろりと横になる。当然あたしもそれに巻き込まれて、ごろり。
「ちょ、ほんとにこのまま寝る気!?」
「ふぁぁ」
「こら、寝るな! 誰か来たらどうすんのよ!」
 いくら授業中とはいえ、誰かが来る可能性は0じゃない。あたしはともかく、ユーリのことを探してるやつが来るかもしれない。そう、たとえばユーリの親友とか。
「誰か来たらねぇ……。そうだな、そしたら……」
 ぎゅっと改めてあたしを抱きしめなおして、彼はぐっと顔を近づける。そして触れるようなキスをした。
「“オレは幸せを満喫してるから邪魔しないでくれ”って言うかな」
「あ……ぐっ」
 大真面目な顔でアホなことをいうのは、この男の専売特許なのだろうか? こんなことを言われて言葉を失うあたしも大概だ。
「んじゃあ、お休み」
 そして、ほんとに寝た。それはもうすやすやと、油性ペンがあれば落書きしたくなる顔で。
「……あほユーリ。この状態であたしにどうしろってのよ」
 何もかもがこいつのペースだ。しかしまあ、みんなの頼れる兄貴分が授業をさぼって、屋上で後輩を抱き枕に寝てるなんて知ったら、みんなはどんな顔をするだろうか。
「……やめやめ」
 考えても答えは出ない。あえて予想するなら、“またユーリは……”と呆れ顔になるだけ。それ以上は何もない。

 そうだ、あたしは有意義な時間を過ごすために屋上に来たんだ。ならば、この状態でできることをやるのが利口というものじゃない。

「……ふんっ」


 仕方ないので、あたしは彼氏の体を五感で堪能することにしよう。








おしまい




【デート・ア・ライブ18禁SS】琴里さんのいけない下校

※注意!
 ここから先は18禁の二次創作SSになります。未成年やこの手の内容が不快な方は、進んじゃダメですよ~。
「大丈夫だ、問題ない」という方は、↓↓↓へどうぞ。































「じゃあね~琴里ちゃん」
「うん、またね♪」
 放課後、学校からの帰り道であたしは友達とバイバイをした。
「……はぁ」
 割とすぐに別れることができてよかった。このまま一緒に帰っていたらあたしは――。
「おかえり、琴里」
 少し歩いたところで士道が待ってくれていた。あたしと士道の学校は違うから、一緒に帰ろうと思ったら必然的にこうやって道の途中で合流することになる。
「士道、おかえりって何よ。ここは家じゃないでしょう?」
「細かいこと気にするなって。さ、帰ろう」
 “ニッ”と笑顔でそう言った士道の顔がかっこよく見えたあたしも、大概ブラコンだ。
「こーんな可愛い妹と下校できるなんて、士道は幸せものよね」
 顔が赤くなっているのを誤魔化すために素早く横にならんで、軽口を叩くと、
「ああ、琴里みたいな可愛い妹と一緒にいれて俺は幸せものだよ」
 逆にカウンターをくらって、あたしはますます誤魔化すのが難しくなってしまった。


///

「ちょ、ちょっと、士道」
「なんだ?」
「帰るんじゃなかったの」
 なるべく凄みをこめて睨んだつもりなのに、楽しそうな笑顔は微塵も崩れない。下校途中だったはずのあたしは今、人気の少ない路地裏で立ったまま士道に迫られている。背中は壁に当たり、左右は士道の腕が通せんぼ。そんな状態で距離を詰められたら、包囲網から脱出するのは大変難しい。というか、無理だ。
「帰ってからにするつもりだったんだけど」
 士道の手が、制服のスカートの内側にのびる。
「んっ」
「我慢できなくなってさ」
「野外で妹を犯すっての? はっ、士道に青姦趣味がおありとは知らなかったわ」
「人聞きの悪いこと言うなっつの。それに合意の上なら、犯すとは言わない」
 そう言ってる間も士道の手は太股の内側をなぞっている。いやらしい悪戯は、確実にゾクゾクとした感覚をあたしから引っ張り出そうとしていた。今更その言葉が冗談ではないことに気づき、かあぁぁと顔が赤くなっていく。
「ほ、本気なの?」
「本気じゃないとでも?」
「だ、だって、誰かに見られでもしたらっ」
「興奮するだろ。琴里はえっちだもんな」
「人を淫乱みたいに言わないでちょうだっ!?」
 つぷりと指があたしの大事なところに侵入してくる。そのまま布越しにクリクリと刺激され、
「んんぅっ」
 あたしは強引に嬌声をあげさせられた。抗いがたい甘い痺れが体を巡る。反射的に両足が閉じて、士道のやらしい手を挟んでしまう。
「積極的だなぁ」
「ち、違うわよ。これは反射が働いただけっ、でぇ!」
 両腿で挟まれている手で、スリスリとショーツのスリットを指の腹でなぞられて甲高い声が出た。
「あっ、だ、だめ、んぅ!」
 今度はキスで唇を塞がれ反論もできない。士道の舌が強引に口の中に侵入し、あたしの舌をからめとって激しく愛撫していく。それと同時に下の指は第一関節までショーツごと体内に侵入し、くちゅくちゅといやらしい水音をたてはじめた。
「ん、んん、んんう!」
 ぐいぐいと両手で士道を押し返そうとするが、全然ビクともしない。しまいには握りこぶしで力の限り叩いたがやっぱり効果はなかった。
 だ、だめ、このままじゃあたしっ。
 上と下の口を塞がれたまま、ほとんど抱きしめられたような状態になる。胸の奥がキュゥゥゥンと締め付けられ、せつなさがこみ上げてきた。もっとほしいと訴える身体が、びくっ、びくっと、電気を流されたみたいに小さく跳ねる。
「…………ぷぁっ!」
 ようやくキスから解放され、ふたりの間にディープキスの証明である細く透明な橋がかかる。頭がぼーっとしたせいで少し後ろにふらついたあたしを、士道の腕が支えた。
「っと」
「あ……うぅ……」
「あーもう、とろんとしちゃって。琴里、いまのお前は」
 耳元でささやかれる。
「…すっごい可愛いぞ」
 ここまでの悪戯だけで、もうあたしの体は言うことをきいてくれない。あとはなすがまま、されるがまま。誰が来るかもわからない路地裏だろうと、もう士道に抵抗なんてできないのだ。

///

「あっ! はぁ! んんっ!」
「琴里、もっと力抜けって」
「抜いてるっ、抜いてる、からぁ!」
 士道が動く度にぶちゅんぶちゅんと破廉恥な水音が鳴り、ずんずんと奥を突かれるたびに強く激しい甘い痺れが頭に響く。あたしはショーツを足首まで下ろされて、両手は壁に、おしりを士道に向けた状態で愛されていた。
「ふぁ、らめっ! 奥ずんずん突いちゃあ!」
「琴里はこうされるの大好きだもんな」
「ち、がう。あたしそんなえっちじゃなっ」
「そんなこと言うのはこの口?」
「んむぅ!?」
 遠慮なく腰を振られてる状態での深いキス。ごりゅごりゅと膣内をえぐられつつ、舌が吸われる。さっきから硬くなって敏感な胸をしぼられて、頭の中がぱちぱちと白く火花を散らした。
「ん、むぅぅ! ぷあっ! あっ、ひゃめ、いく、イクぅッ」
 一気に登り詰めた快感は限界に達し、もう自分がどれだけ恥ずかしい言葉を口にしてるかもわからない。ただ、士道の興奮した声だけはスゥッと耳にはいってきた。
「いいよ、琴里。いっぱい気持ちよくなって」
「ああ、士道、士道! しどお、しどおっ、しどおぉおっ!」
 大好きな人の名前を夢中で呼んで、あたしはどんどん気持ちよくなっていく。大事なところからあふれる雫は、士道と自分のがぐちゃぐちゃになってどっちの物かわからない。それは足元に小さな水溜りになって、あたしたちの周りにだけいやらしいニオイを撒き散らす。
 士道のやらしい雄の匂いも、意地悪な声も甘い囁きも、もう全部が全部、キモチいいものに変換されてあたしをおかしくする。
「俺もイくよ、琴里」
 一際大きなストローク。限界まで張り詰めた怒張は、正確に一番奥にある子宮口にズップンとめりこむ。
「あっ」
 女の子の大切な部分は、士道のソレを嬉しそうにくわえ込んで奥に引きこもうとトロトロの粘液を吐き出す。そして、
「アアアアアァぁぁぁ!!」
 どびゅぅ! と熱いドロドロの粘液が子宮に吐き出されて、あたしは盛大に絶頂を迎えた。何度も何度も小刻みに注ぎ込まれるソレは、あたしを快感のてっぺんから決して下ろしてくれない。
「くぅっ、ふっ、んっ、あっ、あっ」
 ドクンドクンと心臓が大きく跳ねる。あたしのはもちろん、ぎゅうーと背中から抱きしめている士道の胸にあるのも。どっちがどっちの音なのか混ざってよくわからない。
「あっはぁ……はぁ……」
 あたしはきっといま、虚ろな瞳のとろけた顔をしてるに違いない。屋外で、大好きな人に抱かれて、気持ちよくなりすぎて。
 膣内から“ごぷり”と白い粘液が溢れ出て、また地面に大きな染みを作るのが見えた。


////


「けだもん」
「……ごめんなさい」
 士道の背に揺られながらの帰途。……理由は、
「まさか腰が抜けるとはおもわな、あいたっ!」
「思ってても口にしない!」
「悪かったって」
 本当に反省しているのかしら。まあ、従順におんぶをする程度にはしてるのかもしれないけど。
 ……せっかくの機会だから、ちょっとすりすりしようかな。
「おっ、甘えん坊モードか?」
「なっ! ち、ちがっ!?」
「いいよいいよ。甘えてくれた方が俺も嬉しいし、気持ちいいから」
「セクハラよ、馬鹿」
 まあ、嬉しいってんならこっちも嫌なわけじゃないし? 少しぐらいサービスで胸をおしつけてやろうかしら。
「帰ったらもう一回するか?」
「ばーか」
 ほんとバカなんだから。……大好きなお兄ちゃんを持つと、妹は苦労するわ。

 夕焼けが山の向こうに沈む時間。あたしはまったりとした幸せに身をゆだねながら、少し時間をかけて我が家に到着するのだった。




おしまい

スーパーヒロインタイム2013秋を終えて

というわけで! 特にトラブルもなく、スーパーヒロインタイム2013秋を終えることができました!
参加者の皆様、お疲れ様です!!

サークル「ノアリベルタ」がサークル参加するのは初めてだったわけですが……。
あえて叫ぼう! そう簡単に物事がうまくいわけない!!
同人小説本を手に取ってもらうのは難しいなーとしみじみ感じた次第でございます。

それでも、購入してくださる方はいらっしゃいました。ここで改めて感謝の「ありがとうございます!」を。
少しでも面白いと思っていただけたのなら幸いです。
もしお気に召したのであれば、今後のノアリベルタを応援してくださると自分が喜びます(笑)。
ちなみに、今後の活動としては可能な限りオンリーイベント系に参加しようと考えておりますので、
どこかで出会うことがあればよろしくお願いします~。

両隣のサークル様も、最後の強引な挨拶に対応してくださり感謝しております。
せっかくなので、リンクに登録させていただきます(問題があったらすぐ消しまする)
またご縁がありましたら、構ってください(エッ


Angel☆Tear http://sp-ss.com/togo52/

ボロス奪還委員会 http://borosrecom.blog.fc2.com/


次回の参加イベントはただいま流行りの「艦隊これくしょん」のオンリーにしようと画策しております。
うまくいけば11月17日に開催される「砲雷撃戦!よーい! 四戦目」に出れるかも?


まだ動き始めたばっかりの新参者ですが、これからよろしくお願いいたします。

スーパーヒロインタイム2013同人誌についてその②

いよいよイベント当日まで一週間を切りました。
何はともあれ「あらすじ」っぽいものと、内容を一部抜粋したものをあげてみます。
これで筆者のレベルがどの程度かを確認してくださればと思いまする。
あ、前回書き忘れてたのに今更気づいたんですが、ページ数は「B5」で24~28pぐらい予定です。

▼あらすじを読む前に、注意点

・この小説は、SAOアインクラッド編のお話です。
・時系列でいうと、キリトとアスナが森の家に暮らしている辺り。
・なるべく原作の設定に近づけて書いておりますが、細々と「それ無理やろ」という点が含まれている可能性があります。
R-18成分を多く内包しておりますので、18才未満は購入できません。あしからず。

以上を踏まえて、以下のあらすじへどうぞ~。


▼SAO同人小説の簡単なあらすじ

 最前線を離れ、アインクラッド二十二層にある森の家で暮らし始めたキリトとアスナ。ゲーム内とはいえ結婚して夫婦になったふたりは、いちゃいちゃしながら幸せな日々を送っていた。
 しかし、ある日突然アスナが不機嫌になってしまい、キリトは困惑する。実はその理由は夫婦の夜の営みに原因があった。森の家に引っ越して以来、キリトはアスナに手を出していなかったのである。
 キリトのへたれっぷりを親友のリズベットに相談したアスナは、そこでとある箱アイテムを使った妙案を授かって――――。

 箱アイテムに仕込んだ絶対実行のエッチなお題を引き合って、アスナがキリトにアダルトなおねだりをしちゃう。そんな内容の純愛系ライトエロス小説です。


 以下、内容を一部抜粋

////

 昨日の夜から、アスナがどこか不機嫌だ。

「アスナ、今日の予定なんだけど――」
「キリト君。食事中のおしゃべりはお行儀が悪いよ。あと、私は今日リズのところに用事があるから」
 アインクラッド二十二層にある森の家。
 先日結婚した俺とアスナは最前線を離れ、いまは危険とは程遠いこの場所で穏やかな時間を過ごしている。
 ……が、地味な色のロングスカートに麻のシャツ姿の可愛い奥さんは、少しムッとした顔をされている。食事中に喋ることはしょっちゅうなのに、わざわざ注意されるぐらいに機嫌がよくない。。
 さっさとその原因を訊ければ事態は解決する可能性はあるが――。
「あ、あのさ、アスナ」
「なにっ?」
「なんでもないです」
 睨まれただけで怖くて訊けない、意気地なしの俺だった。いや、強い奥さんに睨まれた夫はきっと皆こうなるだろうけど。

「それじゃあ、行ってくるね」
「ああ、気をつけてな」
 こんな下層エリアで危険も何もないだろうけどさ。
 その言葉に何か思うところあったのか、玄関へ向かったアスナがぴたりと止まる。
 振り返った際の少し照れた表情は何かを求めているように見えなくもない。
「んっ」
 アスナは、目をつぶってちょっとだけ顔をつきだしてきた。これは何かのサインだ。ここで選択を間違えなければ、アスナの機嫌が直る……かもしれない。
 よしっ! そこで意を決した俺のとった行動はっ。


///


「うぅ……キリト君のばかぁ」
「なんていえばいいかしら。とりあえずアスナが健気に頑張ってることは伝わったわよ」
 方向性がズレてるのは置いといて。
「ねえ、リズぅ~。どうしたらいいと思う~?」
 半ば涙声で訴えるアスナだったが、リズもどうしたらいいかわからない。あたしにどないせーちゅうの、というのが正直なところだ。
「うーーん。ひとまず、アスナはキリトに襲ってほしいわけなんだから、キリトがムラムラすることをするとかさ」
「そ、そんな、襲ってほしいわけじゃ」
 照れ照れしながら手をぶんぶんするのは可愛いが、少しうざい。リズはアスナを叩きたくなった自分を抑えた。
「アスナが今までやったのは遠回りな手段っぽいし。こうなったら直接的にいくしかないんじゃない」
「ちょ、直接的ってどんな?」
「んー……。お風呂に入ったあと、下着姿でキリトを待ち受けて“お願い、私のこと無茶苦茶にして”っておねだりしてみるとか」


///


 お返しに、ぐちゅりと指を蜜壷に割り込ませる。
「にゃあ!?」
「今の声、可愛かった」
「ば、ばかぁ。そんな、いきなり……」
「もうすぐもっと太いものが入るのに、そんなんで大丈夫?」
「ふ、太いの……」
 ごくりとアスナの喉がなる。その光景を想像したんだろう。それとも、前に体を重ねた時のことを思い出したのだろうか。その時のアスナといったら、とんでもない乱れっぷりだったな。
 ……やばい、考えたらすっげえシたくなってきた。
「――リト君、キリト君! 待って、すとっぷ、ストッープ! そんなぐちゃぐちゃにされたら、わ、私、我慢できなっ、ふあああぁぁぁ!?」
「あ」
 ビクンビクンと一際大きくアスナが震える。そのグッタリした様子から、彼女が絶頂を迎えてしまったことがわかった。
「ひ、ひどいよぅ、待ってって言ったのにぃ」
「ご、ごめん」
 どうやら無意識に指をかき回してアスナを気持ちよくしていたらしい。左手を顔の位置まで持ってくると、ねっとりした熱い液体が大量にこびりついていた。
「あ、あのキリト君」
「ん?」
「その、よく考えなくても、私まだやって欲しいことしてもらってなかったから」
 だから、とアスナは振り向きながらギュッと目を閉じた。

スーパーヒロインタイム2013の同人誌について

スーパーヒロインタイム2013での配置が判明しましたので、本の情報と合わせて告知させていただきます。

配置スペースは「DC03」。DC(ダイシーカフェ)の03番です。
会場図によると出入り口を右に進んだところにあるようですね。

当日頒布する本はSAOの小説になります。
いろいろ悩んだ結果、以下のようなものになりそうです。

●SAO小説(キリト×アスナ)のR-18本
・ページ数は24~28p程度
・時系列はアインクラッド編。ふたりが22層にある森の家で暮らしている辺り
▼オフセットではなく、コピー本です
・お値段は、100円を予定しております。

――というわけで、オフセットではありません。期待していた方には申し訳ないです。
ただ、その分値段は下げて1コイン。なんと前回の予定価格より2分の1以下に!(ツッコミ待ち)

表紙は友人にお願いして描いていただきました。表紙が文字だけじゃないのは嬉しいですねー。

また、可能な限り早めに「あらすじ」と本文を一部抜粋したものをUPします。
これでどの程度の物なのか、判断していただければと思います。

それでは、また次回。

スーパーヒロインタイム2013参加のお知らせ

ごふっ(吐血)、全然ブログ更新できてない……。

とにかく、告知だけでも。

9月22日に大田区産業プラザPIOで行なわれる『スーパーヒロインタイム2013』に参加します。
正確にはそのイベント内のひとつ、アクセルワールド・SAOオンリーイベント『タイシーカフェ3』ですね。

自分は絵を描けない人なので、小説本を製作中です。
間に合うようならオフセット。
内容はSAOのキリト×アスナの純愛系R-18小説です。

値段は200~300円くらいを考えています。確約はできませんが。
あらすじに関しては、また今度の更新で触れたいと思います。

まだブログに小説をUPする上手い方法を思いついていないので、ひとまずピクシブのURLを
張っておきます。コイツどんなの書いてんの? と思う方、気が向いたら覗いてみてください。

http://www.pixiv.net/member.php?id=2246990

また一応ツイッターもやっております。主に趣味系のことを呟いております。
よければこちらもどうぞ。

https://twitter.com/noah1759
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Noah

Author:Noah
同人サークル『ノアリベルタ』のブログです。主にイベント関連や趣味について書いております。
絵が描けない人なので、その時はまっている作品の小説を書くことが多いです。小説はリンク先のpixivにもあります。

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