スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【TOV二次創作SS】屋上でふたり

※注意!
これは作者の妄想がいっぱいのTOV学園パロです。ユーリとリタが彼氏×彼女になっている前提スタート。ユーリがいぢわるになり、リタがデレてます。それに合わせて口調やらも変わっているので、そういうのが苦手な人は引き返すのが無難でしょう。















「ちょっと先輩」
「……ん?」
 青く広がる空の下。ここは校舎の屋上。寝そべっている足元のユーリに声をかける。
「授業中よ? なんでこんなとこにいんのよ」
「お互い様だろ?」
 眠そうに欠伸をするユーリを見ていると、あたしにまで眠気が移ってきそうだ。それを振り払うかのように、鼻で笑ってやった。
「お生憎様。あたしは授業なんて受けなくていいのよ」
 ユーリの横に腰を下ろすと、彼の視線を感じた。“どういう意味だよ?”と訊いているような気がしたので、答えてあげた。
「天才のあたしには、この学校の授業なんて受ける意味はないってこと」
「ほぉ、学園の天才美少女の前では学校の授業のレベルが低すぎてお話にならないってか?」
「違うわ。たとえレベルが低かったとしても、学ぶべき点はあるものよ」
 単純に担当教師がつまらない――要は身につかない授業しかやらないのだ。
「で、結局さぼったと」
「より有意義な時間を選んだと言って欲しいわねぇ……」
 面白くもない授業を受けるなら、本でも読んでいた方がはるかにマシだ。そう考えて屋上に向かったら先客がいたのだ。
「そうか。……少なくともオレと一緒にいることは、授業よりも有意義な時間なわけだ?」
「な”っ。ば、バカ言ってんじゃないわよ」
「なんだ、残念だな」
 殊更に残念がるユーリの目は笑っている。間違いなくからかっているのだ、こいつは。
「ま、まあ? 本を読むよりはあんたと話した方がいい時もあるわね」
「……お前、ほんと素直じゃないのな」
「……ふんっ」」
 ユーリはニヤッと笑いながら、あたしの目を真っ直ぐ見てくる。
「大体なんだよ、先輩って」
「先輩は先輩でしょ?」
「ふたりっきりの時は、名前で呼んでいいかって恥ずかしそうに訊いてきたのはどこの誰だったか、な」

 ……あたしだ。

「せ、世間体ってもんがあるでしょうが! 学校で名前で呼び合ってたりしたら、変な噂が立つかもしれないでしょ!」
「変な噂ねぇ……」
 少しだけ思案しながら、ユーリは体を起こした。こいつとあたしの身長差は30センチくらいある。今みたいに並んで座れば、当然見上げる形になるわけだけど。……なんていうか、真面目に考えてる顔がかっこよく見えて……なんかむかついた。
「“天才美少女リタ! 上級生との熱愛発覚!? 屋上でいちゃつくふたりをカメラは捉えた!!”とか?」
「なにその有り得ない設定!?」
「もしもそんな騒ぎがあったら大変だよな。リタを見るたびに周りの連中がひそひそ話するぜ? “見ろよ、あれが噂の天才美少女だぜ”って」
「さっきから天才美少女とか連呼しすぎでしょ!」
 しかも、あたしは一回も“美少女”とか言ってないし!
「なんだよ、自覚ないのか? 天才さんはかわいいだろ。ほら、こうやって近くで見ればなおさら――」
「ち、近い! 顔近いから!」
 あーもう、調子を狂わされっぱなしだ。しかもこいつはわざとやっている。あたしが、こうすれば気恥ずかしくなるってわかっているのだ。ものすごく性質が悪い。
「たくっ……無自覚でかわいいことをするのも、罪じゃないのかねぇ」
「ひゃっ」
 前触れもなく抱き寄せられて、変な声が出た。ユーリのぬくもりと匂い、それに鼓動をダイレクトに感じる。
「は、離れなさいよ!」
「いやだ」
「子供か?!」
「子供でけっこう。オレはな、かわいい彼女の体を堪能したいんだよ」
「卑猥な言い方すんなバカ!」
 しかし、どれだけ叫んでも体格差もあるなら力も違う。両手を背中に回される形で包まれれば、もう抵抗のしようもない。無駄な体力を使わないようにするため、あたしは借りてこられた猫のようにおとなしくなるしかない。
「ん? もう暴れないのか?」
「……どうせ無駄だし」

 そもそも、こうしてるのが嫌いじゃないし。……言わないけど。

「ふん。せっかくの機会だと思うなら、十二分に堪能すればいいじゃない」
「んじゃあ、遠慮なく」
 投げやり気味なあたしの言葉に、ユーリはぎゅっと抱きしめるて返した。
 ……くやしいけど、こうされると落ち着いてしまう自分がいる。少しだけ頭を胸にこすりつけると、優しく頭をなでなでされた。
「にゃんこはデレ期に入りました、と」
「…………勝手に言ってろ」
「あ、エステルだ」
「うそ!?」
「ああ、嘘だな」

 確かに勝手に言えとは言ったが、心臓に悪い。そのにやけた顔を一発殴ってやろうか……。

「……あんまり調子に乗ると燃やすわよ?」
「そいつは勘弁だな」
 下から睨みつけると、こちらを見下ろしてくるユーリと目が合った。その顔がくっくっくと楽しげに笑う。
「なあ、リタ。お前、なんやかんやでこうしてるの好きなのな」
「な、なんでそうなるのよ!」
「嫌がってねえじゃん。嫌だったら、すぐ逃げるだろ」
「ち、ちがっ! これはあんたがあたしを拘束してるから」
「あー……やばい。また眠くなってきた」
「話を聞けっ!」
 あたしを抱きしめたまま、ユーリはごろりと横になる。当然あたしもそれに巻き込まれて、ごろり。
「ちょ、ほんとにこのまま寝る気!?」
「ふぁぁ」
「こら、寝るな! 誰か来たらどうすんのよ!」
 いくら授業中とはいえ、誰かが来る可能性は0じゃない。あたしはともかく、ユーリのことを探してるやつが来るかもしれない。そう、たとえばユーリの親友とか。
「誰か来たらねぇ……。そうだな、そしたら……」
 ぎゅっと改めてあたしを抱きしめなおして、彼はぐっと顔を近づける。そして触れるようなキスをした。
「“オレは幸せを満喫してるから邪魔しないでくれ”って言うかな」
「あ……ぐっ」
 大真面目な顔でアホなことをいうのは、この男の専売特許なのだろうか? こんなことを言われて言葉を失うあたしも大概だ。
「んじゃあ、お休み」
 そして、ほんとに寝た。それはもうすやすやと、油性ペンがあれば落書きしたくなる顔で。
「……あほユーリ。この状態であたしにどうしろってのよ」
 何もかもがこいつのペースだ。しかしまあ、みんなの頼れる兄貴分が授業をさぼって、屋上で後輩を抱き枕に寝てるなんて知ったら、みんなはどんな顔をするだろうか。
「……やめやめ」
 考えても答えは出ない。あえて予想するなら、“またユーリは……”と呆れ顔になるだけ。それ以上は何もない。

 そうだ、あたしは有意義な時間を過ごすために屋上に来たんだ。ならば、この状態でできることをやるのが利口というものじゃない。

「……ふんっ」


 仕方ないので、あたしは彼氏の体を五感で堪能することにしよう。








おしまい




スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Noah

Author:Noah
同人サークル『ノアリベルタ』のブログです。主にイベント関連や趣味について書いております。
絵が描けない人なので、その時はまっている作品の小説を書くことが多いです。小説はリンク先のpixivにもあります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
訪問者
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。